武蔵小山のフリウリ「レオンビアンコ」の歴史
産業革命の波が打ち寄せ、社会が大きく変革した1900 年ころのイタリア。
ワインづくりや養蚕の拠点として、フリウリ=ヴェネチア・ジュリア州のコル
モンスは繁栄の絶頂期を迎えていました。
ルノアールの絵画に描かれた人々のように、ドレスを着た豪華な装いの人々が行き交う大通りで、レオンビアンコは街でも有数の規模を誇るホテルとして開業します。
メインエントランスの他に、広い中庭に続く馬車口を備えた、3 階建ての大きなホテ
ルでした。
コルモンスはまた、ヨーロッパの動乱の歴史とともに歩んだ軍事的要衝でした。第三次イタリア独立戦争の結果、ヴェネツィアやフリウリのイタリアへの帰属が認められましたが、その戦争はこの街で結ばれた休戦協定によって終結を迎えています。
やがて時代は二つの大戦へと向かうことになり、コルモンスの商業都市としての姿は、徐々に失われていきます。盛んだった養蚕が、日本からの絹の流入や蚕の病気により衰退していく一方で、街には従軍した多くの若者が暮らし、街の様子は一変。
ムッソリーニもこのレオンビアンコの屋根に上り、双眼鏡を使ってスロベニアを視察したと伝えられています。早くから電話を備えていたレオンビアンコには、故郷の家族や恋人と話そうと、若い兵士たちが次々にやってきます。
ホテルはやがてバーに姿を変え、彼らの間ではこんな言い回しが。
──「 さぁレオンビアンコに口を濯ぎにいこう。」
それは街へおいしいワインを飲みに行こう、という意味。日ごろの緊張から解き放たれようと集まる若者で、レオンビアンコは連夜の賑わいを見せました。
しかし二度の大戦を経て土地は荒れ果て、ワイン産業は壊滅。軍は近代化やユーゴスラビアの解体により、かつてのような駐屯兵力を必要としなくなります。さらには1970 年代までに、養蚕および製糸産業が蚕ウイルスの蔓延によって終焉。
コルモンスはその活力の多くを削がれることになりました。
1999 年に幕を閉じるまで、4 世代にわたって受け継がれたレオンビアンコも、そうしたコルモンスの歩みと運命をともにしたのです。
それでも地域の人々の心に宿した思いは絶えることはありませんでした。地元のアマチュアサッカーリーグで強豪チームとして名を馳せ、30 年そのクラブの活動が続くチームも、レオンビアンコの名を冠しているほか、特に現在のコルモンス経済を牽引する世代の誰もが、青春時代を謳歌したバー・レオンビアンコでの思い出とともに生きています。
スローライフやアグリツーリズムの需要が高まりをみせる中、コルモンスは新しい世代が生み出すゆたかなワインとともに、その自然や食が、世界中から再び注目を浴び始めています。
時を同じくして、レオンビアンコもこの東京で、ひと時の眠りから目覚めました。そして東京の多くのお客様に与えていただいた新しい活力を元手に、ついには、かつてコルモンスでも実際に振舞った数々のワインを東京にまで呼び寄せ、まさにいま、このブログを読んでくださったみなさまが主人公の、新しい物語へ踏み出そうと、大きくつま先を振り上げています。
第6回 フリウリ=ヴェネティア・ジュリア州コルモンスのワイン試飲会~番外編
早6回を迎える年に2度開催のワインの試飲会です。
これまでは、当店がフューチャーしているフリウリ=ヴェネティア・ジュリア州コルモンスのワインに限っていましたが、今回は番外編ともいえる面白い内容となっています。
今回の目玉は
★発酵ソムリエによる発酵の側面から見たワイン造りについての講釈
★カードゲームでワインのブドウ品種を楽しみながら覚えよう♪
★ラグビーワールドカップ直前!イタリア、ヴェネトからニュージーランドのラグビー、オールブラックスのレジェンド、サー・ジョン・カーワンがプロデュースしたヴェネト州のワインも登場!
★逆マリアージュ体験
普段のワインに合う食事、食事に合うワインというテーマに加えて、「じゃあ、合わない組み合わせで食べたらどうなるの?」という逆マリアージュを体験いただきます(全部ではないのでご心配なく。一口程度です、笑)
★コルモンスのワインを周辺地域、外の世界から再考します。
ヴェネトで作っているフリウラーノを使ったワインはどんなものか?
国境を接するスロベニアのワインとは?
などなど、盛りだくさんの内容でお送りいたします。
今回もコースでお食事をご用意し、北イタリアのワインとのマリアージュをお楽しみ頂きます。
日時 8月28日水曜日 19時より
参加費 6000円(税込)
ワインとコース料理
カードゲーム
スライドショーを使ったミニセミナー
逆マリアージュ体験
・
先着25名様なので、ご予約はお早めに♪
★予約制となっております。
参加をご希望または検討されている方はメールを頂くか、下記電話番号までご連絡ください。
・
Leon Bianco
03-6328-9363
leonbiancojp@gmail.com
品川区小山3-21-6
ブジネッリ Buzzinelli
ブジネッリ BUZZINELLI について
1942年、初代のポルダとジジ夫婦の献身的な努 力 に よ っ て 、ブ ド ウ 栽 培 と ワ イ ン 醸 造 が 始 め ら れ ま した。
ジジ は接木の先生として活躍しており、ま たとても味 の 分 かる人でした 。
当 時 家 族 は 彼らと 、 彼らの息子カルロ、ジジ jr.で構成されていて、息 子 た ち は 成 長 ととも に 、父 の 尊 敬 す べ き 仕 事 を 引 き継ぐために、彼らが生まれたこの土地で暮らした そ の 経 験 と 、知 識 と を 適 切 に 結 び つ け て 仕 事 を し ていきました。
ポ ル ダ と ジ ジ の 孫 で あ る マ ウ リ ツ ィ オ は 、チ ヴィ ダ ー レ の 農 業 専 門 学 校 で エ ノ ロ ゴ( 醸 造 師 )の 課 程 を 修 了 し 、父 ジ ジ j r . の 他 界 後 、そ の 情 熱 の 火 を 引き継いでいます。
マウリツィオ.ブジネッリ
2019年2月に現地視察に行った時の様子
現地視察に行きました
2019年2月、ワインインポーター、株式会社ヴィノアタランテの澤雅人氏、レオンビアンコ店長の植田毅彦、私となぜか私の母、妹、娘のルチアでフリウリヴェネツィアジュリア州はコルモンスのワイナリーへ行きました。
(家族旅行かはたまた現地視察なのかという疑問はさておき)
わずか数日の滞在でしたが、ワイナリーの一つ、ブジネッリには他のワイナリーでもそうであるようにB&Bが併設されており、そこに泊まらせていただきました。
朝からクッキーやドーナツ、パンにたっぷりのプロシュートがテーブルに並びます。
そして、滞在最終日は朝ごはんの食卓からすぐに横にあるカンティーナで試飲です。
まさにワイン好きには天国!
いつかレオンビアンコ コルモンスツアーを開催して皆さんにここにご案内したい!
と夢を抱いたのでした…
─ ワイナリー巡りメモより [ブジネッリについて]
1 9 3 7 年 に ス ロ ベ ニ ア か ら こ の 地 へ 。6 0 年 代 に ワ イ ン 作 り を は じめる。
80 年代になりスパークリングを開始。
事業の成功に ともない1990 年代に段階的に増築。現在は 12 万本の生産 能力、30ha の栽培面積を有する。葡萄の圧搾は 4 気圧と標 準的。
フリウラーノについて、どんな食べ物にも合わせてい けるよう味作りをしている。白ワインはどんな場面にも使える のが良い。(マウリツィオ談。おそらくフリウラーノがテーブル ワインであることを前提に)マウリツィオにいわせると、ブジ ネリでつくるソーヴィニョンは Sambuco(サンブーコ)という 花の香りがする。
メルローについてはアパッシメントを行う。 原 重 量 の 7 0 % ま で 乾 燥 を 進 め る 。農 業 に つ い て 、特 別 な 農 業 で は な い 。た だ 、こ と 7 月 以 降 に つ い て は 、ほ ぼ 手 を 加 え ない。果皮や樹表の防衛力も強くなり、手がかからなくなる。 また雨が多くなるため、葡萄は清潔に保たれ、同時に、人が 手を入れても雨に流され意味を成さなくなる。
レオンビアンコのワインはこんなこだわりが。
レオンビアンコは白ワインと北イタリアのお料理が自慢です。
Leon Bianco はもともとイタリア北東部のスロヴェニアとオーストリアの国境にある、フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州のコルモンスという小さな町にありました。
かつてのLeon Biancoはもうなくなってしまいましたが、その周りにある親しい友人のワイナリーからここ、東京のレオンビアンコのお客様に美味しいワインをお届けしています。
フリウリヴェネツィアジュリア州はソムリエ界や、ワイン通の間では「白ワインの聖地」として有名です。
これからたびたび、レオンビアンコのワインのラインナップを土地や歴史的背景とともにご紹介していきます。
今日はその第1弾!
フリウリヴェネツィアジュリア州コルモンスに行ってみた
ワイナリーの畑の中のスロヴェニアとイタリアの国境に立つ店長、植田。
イタリア北東部の片田舎であるコルモンスの農家のワインはそのほとんどが商業的に大量生産されるものではなく、基本的には自分たちで消費したり、近所の人々がテーブルワインとして買い求めるものです。
ワイナリーの子供たちが、家の中やお庭でボールを追いかけてキャーキャーと走り回る姿や、来客があると自家製のプロシュートやチーズをドンッとテーブルに置き、ご自慢のワインを開けて客人にふるまう姿などを見ると、彼らにとってのワイン造りというものが仕事というよりもむしろ生活、人生の一部なのだと感じられます。
ぶどうとともに育った子供達と共に。レンツォスグヴィンのワイナリーにて。
昨今、有機ワインやビオワインの人気が高まるマーケットの影響もあり、3年前まではみんな有機やバイオダイナミックを名乗っていましたが、名乗るには免許が必要となり状況は様変わりしたそうです。しかし、コルモンスのワインは、呼び名にかかわらず従来から自然農法で作られてきました。
なぜなら愛する家族や友人が日常的に口にするものであり、子供たちの遊び場がブドウ畑だから、必然的に余計な農薬などは使わないのです。
遠く離れたところにいるワインの飲み手である私たちも、隣の畑が収穫した安心安全な野菜を夕飯のおかずとしておすそ分けしてもらうような、そんな感覚で気負わずに安心してワインを手にしていいのだと思います。
ワイン造りが家族、友人たち、ワインを口に含むすべての人々への愛をも表現していることに深く共感し、彼らを尊敬します。
2年前からわたし達は日本ではこれまで飲むことのできなかったフリウリのコルモンスのワインを皆様にお届けしてきました。
これからも、ぜひ、造り手のワインへの愛情に思いをはせながら当店のワインをお楽しみください。
次回はワイナリーを個々にご紹介していきまーす!
Early Summer Plan(アーリーサマープラン)2019年5月1日~6月30日まで
令和元年、新しい時代の幕開けをお祝いしよう♪